「陶板画」加藤土師萌水彩画手描き 署名入り 瀬栄陶器 本物

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「陶板画」加藤土師萌水彩画  手描き 署名入り 瀬栄陶器 額  37.5㎝×28.5㎝ 陶板 15㎝×15㎝ 加藤土師萌は明治33年3月瀬戸市に生まれ、県立窯業学校の助手から岐阜県陶磁器試験場の技師を経て昭和30年東京芸大の教授になりました。 昭和26年「黄地紅彩」による特殊な上絵の陶法を苦心の末完成させて赤絵保存者として表彰され、昭和36年には人間国宝に認定されました。 彼は瀬栄陶器で絵付けやデザインの技術指導をするかたわら、昭和33年春世界一周の旅にでかけ、パリ、ベニスを始めヨーロッパの主要都市を水彩画でスケッチして回りました。帰国後、スケッチしてきた水彩画の何点かを陶板にして瀬栄陶器から市販しました。当時これはかなり好評を博しました。 本品は、デンマークのコペンハーゲンの川辺からスケッチしたもので、澄み切った青空のもと、川を行く小舟ののんびりした情景が描かれています。陶芸家のスケッチは陶器の上絵の下書きとなるものなので、下書きのスケッチそのものを作品として入手できる機会はかなり限られてきます。それだけに本品はまさに珍品といえます。市場にはほとんど出てきません。それだけに入手できたのは本品を含め2枚だけです。 なお瀬栄陶器株式会社は輸出陶磁器メーカとして、当時はノリタケと並ぶ隆盛を極めていましたが今はありません。 この会社の製品で、武者小路実篤の作品が数多く残されています。これは昭和32年秋に松坂屋で武者小路実篤の個展が開かれた際、日頃から実篤の人道主義的な人間味のある絵とその讃(画に題して画面中に書かれた詩•歌•文)に感動していた瀬栄陶器の当時の水野保一社長が実篤と出会いすっかり意気投合しました。 その時実篤は水野社長が手にしていた実篤画の試作の皿の出来栄えを見てすっかり感動してしまいした。そしてその場でその皿にサインするだけでなく懐中から判を取り出し、白紙に押して水野社長に手渡し版権を譲渡する話がまとまることになりました。 その後も水野社長と実篤との親しい関係は続き、額皿から食器まで約50種類にわたり実篤の画を絵付けすることが一任されることになりました。実篤の著作権を守る好日会も瀬栄陶器だけには特別な好意を見せていたといいます。(「やきものの本」瀬栄陶器会社編より)

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